Katy Layman 個展 ”EDEN 404 : Paradise not found”

Exhibition
米バージニア州に生まれ、2018年から日本に在住して活動するレイマンは、これまでのキャリアを通じて、幼い頃に慣れ親しんだビデオゲームなどのデジタルな要素をモチーフの中に、写実的な花や空といったアナログの風景を溶け込ませる作品を手がけてきました。うつろいゆく不完全な対象をデジタル空間の中に閉じ込める試みはケイティ自身の願望を投影させたものでもあります。
本展の作品は、これまでのモチーフに加え、彼女の背景にあるキリスト教におけるエデンの園とインターネットとのアナロジーを見出すことよって、より一層パーソナルであると同時に社会性をはらんだ多面的な解釈の幅を持つものになりました。
展示のタイトルである「EDEN 404: EDEN 404: Paradise not found」は、サーバーがウェブページを見つけられなかった場合に表示されるエラーメッセージであるHTTP 404に由来しています。 また、1667年に書かれたジョン・ミルトンの叙事詩「失楽園」(アダムとイブが禁断の実を食べてエデンの園から追放される話)を引用しています。
レイマンが生まれた90年代は、まだインターネットが日常生活に欠かせない存在ではありませんでした。 デジタルの世界と現実の世界はまだ切り離されており、当時のコンピュータ画面のシンプルでフラットなグラフィックは、そのコントラストを反映していました。
本展では、90年代のコンピュータのアイコンやゲームと、花や雲のイメージを組み合わせて、「デジタル・エデン」を表現しています。 デジタルエデンでは、マインスイーパーやソリティアなどの初期のコンピュータゲームが無邪気な娯楽として機能し、インターネットには人間を堕落へといざなう禁断の知識が含まれています。
本展のために制作された新作7点を展示いたします。
Artist
Katy Layman | ケイティ・レイマン
Katy Laymanは1996年生まれのアメリカ人アーティスト。 2018年から日本に在住し、2021年からギャラリーでの展覧会に参加。 近年の作品は、青空の下で遊ぶ夏の日、幼少期の家でビデオゲームやコンピューターゲームをすること、家族で毎週カトリックのミサに参加することなど、幼少期の記憶を色濃く反映している。
Information
展示:Katy Layman個展 “EDEN 404: Paradise not found”
会期:2022年8月19日(金)-2022年9月10日(土)
場所:MARGIN 〒103-0003 東京都中央区日本橋横山町4-10