Nampei Akaki 個展 “OVERMAN’S PAINTING”

Exhibition
この度、MARGINでは赤木楠平のソロエキシビジョン『NAMPEI AKAKI OVERMAN’S PAINTING』を開催いたします。
幼少期をサウジアラビアとシンガポールで過ごし、ロンドンと東京で青年時代を過ごした赤木は、それぞれの都市の文化を拝借しながらアイデンティティを培ってきました。言い換えれば、どこにいても常に異端であり、“自らの文化“と呼べるものを喪失する中で育まれた創造性は、漠然とした自国へのノスタルジーを下地にしています。
これまで赤木は、写真家としてカメラのレンズを外した状態で街の光を採集した《Kenko(健光)シリーズ》や多重露光を利用して偶発性をテーマに制作した《Zenzenシリーズ》など、ユニークなアイデアに基づく作品を数多く手掛けてきました。近年の赤木は、写真という枠組みのみならずペインティングにも精力的に取り組んでいます。
今回の展示は、赤木にとって初めての、ペインティングのみで構成された展示となります。画家の祖父を持つ赤木が2020年頃から精力的に制作しているペインティングは、独自のシンボルや文字、金銀紙や自作のステッカーなど様々な要素が画面構成を作り上げ、ビビッドな色彩は鑑賞者を圧倒します。
日々ライフワークとして蒐集している玩具や雑貨の欠片、さらには支持体であるキャンバス上にまた別のキャンバスを貼り付けるなど、二次元的な素材と三次元的な素材を無差別に受け止める赤木のペインティングは、絵画に水平性をもたらしたロバート・ラウシェンバーグやジャン・デュビュッフェを彷彿させます。様々な要素が調和とも融合とも呼べない形で複雑に入り乱れて混在し、一見脈略のないように感じるかもしれませんが、それらは紛れもなく世界中の都市の体温を肌で感じてきた赤木ならではの強烈な個性があります。
本展のために約1年をかけて制作された11点の新作ペインティングを発表いたします。
Artist
Nampei Akaki | 赤木 楠平
1977年生まれ。東京都出身。幼少期をサウジアラビアやシンガポールで過ごす。日本大学芸術学部写真学科を卒業した後渡英し、2008年に帰国後は写真家として活動。2013年からポーランドのワルシャワに拠点を置く写真家集団Czulosc(感度)に初の外国人メンバーとして参加している。“Kenko健光“シリーズ、“Zenzen”シリーズなど、ユニークなアイデアのもと冒険的な写真作品を多く制作している。近年はペインティングにも精力的に取り組んでいる。
Information
展示:Nampei Akaki 個展 “OVERMAN’S PAINTING”
会期:2023年3月10日(金)-2023年4月2日(土)
場所:MARGIN 〒103-0003 東京都中央区日本橋横山町4-10