柱 II・ア

YUKA NISHIDA

アイテムコード: 14SPY8ZJ copy

サイズ(H×W): 455×455mm

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日本において「自然」は、「人間を含め、山川・草木・動物など天地間の万物」と記されたのが 1955年の『広辞苑』(岩波書店)であったのに対し、「1. 天体、山川草木、動物など人間社会をとりまき、人間となんらかの意味で対立するすべてのもの。2. 広義では人間そのものを含むことが ある」と記述されているのが『新明解国語辞典』(三省堂/1991年)、『大辞泉』(小学館/1995 年)であるとき、近代では西洋的な「人間と対なるもの」として広く認知・使用されるようになったと考えることができる。
「いつもそこにあるが常に同じではない」と言う作品コンセプトから、西田は外なる「自然」を描写してきた。しかしそれは西田にとって、その言葉の意味するところを表現するには充分ではなく、この昭和以前の捉えられ方にあるとおり「人間そのものを含む」を念頭に置いた場合の、内なるそれの描写ができやしないかと開発を進めた。
自然に分類される人間とはなにか。内なる自然とはなにか。
自然に分類される人間とはなにか。内なる自然とはなにか。
日本の古典史書に語られる「もののはじまり」をリファレンスし、そのモティーフを「活動が始まるまでの心中の揺動、種々の変化」と再解釈し、柱Ⅱ・アを、ワとつがいである「主体の可視化」として 完成させた。
YUKA NISHIDA
YUKA NISHIDA 1984-JAPAN
西田優花

1984年京都府生まれ。2022年に島根県温泉津へ拠点を移し、東京・島根で活動している。
アーティスト・地域産品の在野研究家である西田が素材として主に扱うのは、縦漉き技法により製造される島根の石州和紙と、採取し粉砕製造した石や土、及び樹皮などを使った Bio-based Pigments(有機顔料)。日本の風土からなる産品とそれらの生まれた歴史・地政学的背景、またそれ自体がサーキュラーエコノミーであることを重要視している。
2020年 ドイツからの帰国後、いつ終わるかわからない社会不安が取り巻くなかに見た、日本の自然の変容性と美しさを改めて認識。季節や天候によりうつり変わる自然の幾通りもの姿から、人も「あり方はそのままに変化していくことが重要である」と考え、”Always There, but not Always the Same.(いつもそこにあるが常に同じではない”) をコンセプトとしている。
“Capture the Source” プロジェクトとして、裂き・揉み・つなぎ・染め・変調などの技法を用いて自然の姿をアブストラクトに表現、また素材による経年の変化を与えている。

西田は海外市場向けイン/アウトバウンド プロモーションのクリエイティブディレクターを経て、2017年から作家として活動開始。
2021年に合同会社 現象舎を設立し、日本の様々な地域のものづくり支援ブランディング・プロモーション事業を行うかたわら、作家活動を行う。