Impractical III

YUKA NISHIDA

アイテムコード: P1011FQE copy

サイズ(H×W): 290×283mm

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西田の作品は、一般的に想像する絵画とは根本的に異なる。「いつもそこにあるが常に同じではない」と言う作品コンセプトが鑑賞者にもたらすのは、まずは物質との対峙、次にそれの積み重ねがイメージや抽象性として呼びかけてくる。
Bosco Sodiが日本哲学に見た「偶然の受け入れ」や「コントロールできないこと」から生まれた作 品の再現不可能性は、なにもその作品そのものだけに反映されているのではなく、全てに存在する摂理であり風化までを伴い初めて完成する作品である、と西田により再解釈され、Impracticalシリーズとして制作を開始した。
「自然」と言う言葉が “Nature” の意味で使われるようになったのは、明治も終わりになってからと比較的新しい。
それまでは、「おのずと」や「万一」と言う副詞として使われており、それはかつての日本人が、周囲の自然をおのずからそこにあるものとして特に意識しなかったと言う、かつての日本人のありし 自然観がその自然と言う言葉を生んだとされている。
YUKA NISHIDA
YUKA NISHIDA 1984-JAPAN
西田優花

1984年京都府生まれ。2022年に島根県温泉津へ拠点を移し、東京・島根で活動している。
アーティスト・地域産品の在野研究家である西田が素材として主に扱うのは、縦漉き技法により製造される島根の石州和紙と、採取し粉砕製造した石や土、及び樹皮などを使った Bio-based Pigments(有機顔料)。日本の風土からなる産品とそれらの生まれた歴史・地政学的背景、またそれ自体がサーキュラーエコノミーであることを重要視している。
2020年 ドイツからの帰国後、いつ終わるかわからない社会不安が取り巻くなかに見た、日本の自然の変容性と美しさを改めて認識。季節や天候によりうつり変わる自然の幾通りもの姿から、人も「あり方はそのままに変化していくことが重要である」と考え、”Always There, but not Always the Same.(いつもそこにあるが常に同じではない”) をコンセプトとしている。
“Capture the Source” プロジェクトとして、裂き・揉み・つなぎ・染め・変調などの技法を用いて自然の姿をアブストラクトに表現、また素材による経年の変化を与えている。

西田は海外市場向けイン/アウトバウンド プロモーションのクリエイティブディレクターを経て、2017年から作家として活動開始。
2021年に合同会社 現象舎を設立し、日本の様々な地域のものづくり支援ブランディング・プロモーション事業を行うかたわら、作家活動を行う。