Exhibition

松屋銀座7F、遊びのギャラリー1979にてTATSUKI NISHIMOTO(西本樹生)のソロエキシビジョン「creating and staging scenes」を開催いたします。

西本樹生は1997年、愛知県生まれ。デジタルツールを用いて構築した画面を、独特の色彩感覚でキャンヴァスに描く作家です。現在は東京馬喰町にあるアトリエを拠点に画家として活動しています。

Artist Statement

例えば、知らない映画のワンシーンを見たとして、ストーリーを知らなくとも役者の振る舞いや場面の演出などをきっかけにして、それとなくストーリーを想像することができるのではないだろうか。

そういった、人物が登場することで発生する物語性に興味を持ち、人の在り方や動きを意識した場面を、デジタルツールを用いながら人物や背景にあたる要素を構成・演出し、それをモチーフにして絵画制作をしている。

描かれたものは、ドラマチックに演出された場面に見えるかもしれない。しかし、あくまでそれは作者の私によって演出され作られた場面である、という意識を大切にしている。私はそこに「演出されできた場面」と「演出を行う装置」といった二つの関係性を感じ、連作にして場面を描くことにより、一つの場面だけでは判断できなかったこと、描かれた場面の外側の領域に広がっているかもしれない可能性を形にしている。

その二つの関係は…

ドラマや映画制作などにおける、ドラマチックに演出されたカメラの画角内のシーンと、画角の外側に存在する撮影セットや裏方。舞台芸術などにおける、ただのハリボテであったとしても、観客視点では舞台装置として場面の演出や役割を担う書き割りの存在。マスメディア情報における、トリミングされフェイクニュースとされた情報や画像の前後。

…などに感覚的に似た点がある。

位置関係としては近くにあるかもしれない「演出されできた場面」と「演出を行う装置」だが、少し視点を変えるだけで見えるものや感じ方が大きく変わるように感じる。その二つの関係性を意識しながら、人物を構成要素として連作を展開し、場面の演出をしていくとともに、あるかもしれない可能性の形を描いていけたらと思う。

Artist

1997年、愛知県生まれ。愛知県立芸術大学院博士課程油画・版画領域卒業。デジタルツールを用いて構築した画面を、独特の色彩感覚でキャンヴァスに描くことで、動くことによって発生する生命のエネルギー、生活の中で目にした瞬間のイメージと、記憶の中にあるイメー ジを視覚的に表現する。全身運動をテーマにした一連のペインティング「To move means to live」を発表。大きな身振りやスポーツ、ダンスなどの一場面を動的に捉え、それらの持つ美しさ、呼吸や心拍や発汗など、微細な動きまでの表現に挑戦している。

Information

展示:TATSUKI NISHIMOTO “creating and staging scenes”

会期:2023年3月8日(水)-2023年3月21日(木)

11-18時/初日昼12時開場 最終日午後5時閉場

遊びのギャラリー1979 〒104-8130東京都中央区銀座3-6-1 7階